笙のコード進行における、手移りの手順一覧です。表記は現行の雅楽演奏で用いられているコード進行で、現行の雅楽演奏で用いられていないコード進行は各当する合竹の覧に「-」と記しています。
合竹 (元) | 合竹 (先) | 手移りの手順 |
乙 | 凢 | 上を離して凢を押える。 |
乞 | 上を離して乞を押える。 | |
十 | 千を離して十を押える時に、乙から下へ指先を滑らせる。 | |
(十) | 千を離して十を押えるときに乙を離す。 | |
下 | 八を離して美を押える時に、乙から下へ指先を滑らせる。 | |
一 | 八・上の順に離し、一、凢を同時に押える。 | |
比 | 乙を離して比を押える。 | |
美 | 八を離して美を押える時に、乙から指裏を比へ移す。 | |
彳 | 乙を離す。※5 | |
工 | 千・八・上の順に離し、工・美・凢を同時に押える。 | |
凢 | 乙 | 凢を離して上を押える。 |
乞 | 凢を離して乞を押える。 | |
十 | 千・凢を離して十・上を押える時に、乙から下へ指先を滑らせる。 | |
(十) | 千・凢を離して十・上を押える。 | |
下 | 八・凢の順に離して美・上を押える時に、乙から下へ指先を滑らせる。 | |
一 | 八を離して、一を押える。 | |
比 | 凢を離して上を押える時に比を押える。 | |
美 | 八・凢の順に離して美・上を押える時に、乙から指裏を比へ移す。 | |
彳 | 凢を離して上を押える時に、乙を離す。 | |
工 | 千・八の順に離して、工・美を同時に押える。 | |
乞 | 乙 | 乞を離して上を押える。 |
凢 | 乞を離して凢を押える。 | |
十 | 千・乞の順に離し、十・上を押える時に、乙から下へ指先を滑らせる。 | |
(十) | 千・乞の順に離し、十・上を押える時に、乙を離す。 | |
下 | 八・乞の順に離し、美・上を押える時に、乙から下へ指先を滑らせる。 | |
一 | 八・乞の順に離し、一・凢を同時に押える。 | |
比 | 乞を離して上を押える時に、乙から指裏を比へ移す。 | |
美 | 八・乞の順に離し、美・上を同時に押える時に、乙から比へ指を移す。 | |
彳 | 乞を離して上を押える時に、乙を離す。 | |
工 | 千・八・乞の順に離して、工・美・凢を同時に押える。 | |
十 | 乙 | 下を離して乙を押える時に十を離し、気替え後、千を押える(後打)。 |
凢 | 上・下の順に離し、凢・乙を押える時に十を離し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
乞 | 上・下の順に離し、乞・乙を押える時に十を離し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
下 | 八を離し、美を押える時に、十から千へ指先を滑らせる。 | |
一 | 八・上・下の順に離し、一・凢・乙を押える時に十を離し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
比 | 下を離して指裏を比へ移す時に、十から千へ指先を滑らせる。 | |
美 | 八・下を離して美・比を押える時に、十から千へ指先を滑らせる。 | |
工 | 八・上の順に離し、下・十を同時に離し、美・凢・乙・工を同時に押える。 | |
彳 | 下を離して十を離し気替え後、千を押える(後打)。 | |
(十) | - | |
(十) | 乙 | 下を離して乙を押える時に十を離し、気替え後、千を押える(後打)。 |
凢 | 上・下の順に離し、凢・乙を押える時に十を離し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
乞 | 上・下の順に離し、乞・乙を押える時に十を離し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
十 | 下を押える。※5 | |
下 | 八を離し美を押える時に、十から千へ指先を滑らせる。 | |
一 | 八・上の順に離し、一・凢・乙を押える時に十を離す。気替え後、千を押える(後打)。 | |
比 | 指裏で比を押える時に、十から千へ指先を滑らせる。 | |
美 | - | |
彳 | - | |
工 | - | |
下 | 乙 | 下を離して乙を押える時に美を離し、気替え後、八を押える(後打)。 |
凢 | 上・下を離して、凢・乙を押える時に美を離し、気替え後、八を押える(後打)。 | |
乞 | 上・下の順に離して乞・乙を押える時に美を離し、気替え後、八を押える(後打)。 | |
十 | 千・美の順に離して、十・八を同時に押える。※4 | |
(十) | 千を離し十を押える時、美・下を離し、着替え後、八を押える(後打)。 | |
一 | 上・美・下の順に離し、凢・一・乙を同時に押える。 | |
美 | 下を離して指裏を比へ移す。 | |
彳 | 美を離して八を押える時に、下を離す。 | |
工 | 千・下・上の順に離して、工・乙・凢を同時に押える。 | |
比 | - |
一 | 乙 | 凢・一の順に離し、八・上を同時に押える。 |
凢 | 一を離して、八を押える。 | |
乞 | 凢を離して乞を押える時に一を離し、気替え後、八を押える(後打)。 | |
十 | 千・凢・一の順に離して、十・八・上を押える時に乙から下へ指先を滑らせる。 | |
(十) | 千・凢・一の順に離して、十・八・上を押える時に乙を離す。 | |
下 | 凢・一の順に離し、美・上を押える時に、乙から下へ指先を滑らせる。 | |
比 | 凢・一の順に離し、八・上を押える時に、乙から指裏を比へ移す。 | |
美 | 凢・一の順に離し、美・上を押える時に、乙から指裏を比へ移す。 | |
彳 | 凢・一の順に離し、八・上を押える時に乙を離す。 | |
工 | 千・一の順に離し、工・美を同時に押える。 | |
彳 | 凢 | 上を離し、凢・乙を同時に押える。※6 |
下 | 八を離し、美・下を同時に押える。※8 | |
一 | 八・上を離し、一・凢・乙を同時に押える。※7 | |
美 | 八を離し、美と比を同時に押える。 | |
乙 | - | |
乞 | - | |
十 | - | |
(十) | - | |
比 | - | |
工 | - | |
比 | 乙 | 比を離して乙を押える。 |
凢 | 上・比の順に離し、凢・乙を同時に押える。 | |
乞 | 上・比の順に離し、乞・乙を同時に押える。 | |
十 | 千・比の順に離し、十・下を同時に押える。 | |
(十) | 千・比を離し、十を押える。 | |
下 | 八・比の順に離し、美・下を同時に押える。 | |
一 | 八・上・比の順に離し、一・凢・乙を同時に押える。 | |
美 | - | |
彳 | - | |
工 | - | |
美 | 乙 | 比を離して、乙を押える時に美を離し、気替え後、八を押える(後打)。 |
乞 | 上・比の順に離し、乞・乙を押える時に美を離し、気替え後、八を押える(後打)。 | |
十 | 千・比、美の順に離して、十・下・八を同時に押える。※1 | |
下 | 比を離して下を押える。 | |
一 | 上・比・美を離して、凢・乙・一を同時に押える。※2 | |
彳 | 美を離し、八を押える時に比を離す。 | |
凢 | - | |
比 | - | |
工 | - | |
(十) | - | |
工 | 乙 | 美・凢を離して、八・上を押える時に工を離し、気替え後、千を押える(後打)。 |
凢 | 美を離して八を押える時に工を離し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
乞 | 美・凢を離して八・乞を押える時に工を離し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
十 | 美・凢・工を離し、八・上・十を押さえる時、乙から下へ指先を滑らせる。 | |
下 | 凢・乙を離して上・下を押える時に工を離し、気替え後、千を押える(後打)。※3 | |
一 | 美を離して一を押える時に工を離し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
美 | 凢・工を離し上・千を押さえる時、乙から指裏を比へ移す。 | |
比 | 美・?を離して工を離し、八・上を押える時に乙から指裏を比へ移し、気替え後、千を押える(後打)。 | |
彳 | - | |
(十) | - |
註)
○「㈩」は双調の十。
○ 指穴は、指先の腹で押える。
○「離す」は、指を擦り下げながら行う。
○「すべらせる」は、乙→下等隣り竹の指穴へずらして押える。
○「移す」は、乙→比へ右人差指で指穴を移し押える。
○「後打」は気替え後の第2拍目(管絃)や、一拍半(舞立)に最後の指穴を押える。
※1...千・比を離して十・下を押える時に美を離し、気替え後、八を押える(後打)。
※2...美から一へ、左親指をすべらせる
※3...工→下 凢・工を離し、上、千を押さえる時、乙から下へすべらせる。
※4...千を離し、十を押える時に美を離し、気替え後、八を押える。
※5...手移りの口唱歌「インジャ」の「ジャ」にタイミングで、乙を離す。
※6...レアコード進行。「輪鼓褌脱」で用いる。
※7...レアコード進行。「平蛮楽」、「抜頭」で用いる。
※8...レアコード進行。「万秋楽序」で用いる。