三和音の転回形


●基本形

前項でのコードの配置は、ルートを最低音とした形で統一してましたが、このようなコードの配置は「基本形」と呼ばれていて、コードの基本的な配置とされています。

○基本形...ルート(基音)を最低音とした構成



●転回形

コード配置の「基本形」に対して、ルート以外の音を最低音としたコード配置を「転回形」と呼びます。三和音には2種類の転回形があり、これらのコード配置も多く使用されます。

○第一転回形...3度を最低音とした構成
○第二転回形...5度を最低音とした構成


▼コードの配置(基本形と転回形)
Ex202_2




●転回形でのルート

転回形でのルートを確認する方法を考えてみます。
上記のように、三和音の転回形は2通りしかありません。したがって最低音がルートに相当しないときは、他の(上部に置かれている)2音のどちらかがコードのルートのはずです。和音を見ただけで直ぐに分らなければ、面倒ですが上部の2音をルートとして仮定して和音配置を書き直してみましょう。そして3度音程で積み重ねられている配置を発見できれば、長・短三和音の場合は、それがコードの基本形となる分けです。 

●その他の三和音

三和音の構成には、上記4種類の他、以下のような3種類があります。

@メジャー・フラットファイブ(♭5)・コード  
【root・M3・dim5】

Aマイナー・シャープファイブ(#5)・コード 
【root・m3・aug5】

Bサスフォー(sus4)・コード         
【root・P4・P5】

※ポピュラー音楽での慣例的な表記
○root
  基音 
○M3
  長3度  ○m3・・・短3度
○P4
  完全4度 
○P5
  完全5度


@とAは、いづれも増と減の三和音の3度と5度を逆に組合せたもので、Aの三和音は、短三和音の5度の変化和音として、ときおり使用されています。ただし、異名同音による表記がされることがあるのですが、その結果Cm(#5)がA♭の第一転回形に相当することが分ると思います。

○Cm(#5)の基本形は・・・C ・ E# ・ G# 
    ↓↓
○A♭の第一転回形は・・・C ・ E# ・ G# (A♭)

Bは、3度に代わって完全4度が加えられた特殊なコードで、このコードもしばしば使用されます。ただし、長三和音に結びつく一時的な使用が原則となっています。