音階@(メジャースケール)


ここからは、音楽の三要素の一つである「旋律」(メロディー)について考えてみますが、その基礎となるのが、音階(スケール)や調です。

●音階(スケール)

ある音からその1オクターブ上、或は下の音まで半音や全音(1音半や2音等も含む)の間隔を使って音を並べたものを「音階(スケール)」といいます。 音階は世界中に、また音楽のジャンルによってさまざまあります。雅楽で用いる「五音階」や「律音階」も音階の一種です。 この項で紹介する「メジャースケール」も多く存在する音階の中の一つですが、音楽理論では基盤となる音階なので、とても重要なものとなっています。

●調(Key)

「調」には、長調(メジャーキー)と短調(マイナーキー)の2種類があります。この違いは、それぞれの調で活用される音の違い、つまりは音階(スケール)の違いによって表されます。 ポピュラー音楽理論では長調、短調には、それぞれ12種類の調が分類されます。

調にとっての最も重要な音をどの音にするかによって多くの種類となるわけで、この場合の最も重要な音は「基音(トニック/ルート)」といわれています。 基音は調の名前である調名として使用されると同時に、各調の基盤となる音階の出発点に置かれて、調性を決定付ける上で重要な役割を担っています。

さらに基音から完全5度(ドミナント)の音と、完全4度(サブドミナント)の音、また長7度(導音)も、音階の構成においては、基音に次ぐ重要な音とされています。 そして雅楽の調である「調子」においても、基音と完全5度音が、特に重要な音と位置づけられています。






Ex23

長音階の構成を、Cメジャースケールを例にとって考察してみましょう。 上図の白鍵の並びをみ見た場合、 <C・D・E・F・G・A・B・C>となっています。 そして、それぞれの隣り合った鍵盤の音同士の音程は、 <全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音>となり、これを「度」で表すと <長・長・短・長・長・長・短>という構成になっていることがわかります。

この音程で構成される音階を、「長音階(メジャースケール)」といい、例のようにCを基音とした場合は「ハ長調(Cメジャースケール)」(以下メジャースケールと表記)といいます。

では今度はG音を基音としてみた場合はどうなるでしょうか。 G音から上記の音程の法則でだどってみると、 <G・A・B・C・D・E・F#・G>となることが解ると思います。 この音階は、基音がG音であることから、Gメジャースケールといいます。

▼メジャースケール
Ex20



上図ように、長音階の音程の構成をあてはめていくと、Cから上行させた場合は、#記号が無いCメジャースケールであり、Gから上行させると#が一つ増えて(F音)Gメジャースケールになります。 CとGとの音程差は5度です。 ではGから5度上のDから上行すると、#がまた一つ増えて、#は計二つになります。 ではDから5度上の・・・・ というような、操作をどんどん繰り返していくとどうなるでしょう。#の記号が次第に増えて、7種の長音階が構成され、すべての音に#の記号が付くC#メジャースケールが終点となることがわかります。

▼#系長音階と調号(計7種)

Ex60






では逆に、Cから下方に5度ずつ発展させてみましょう。 すると今度は♭の記号が次第に増えていき、やはり全ての音に♭の付いた、C♭メジャースケールで終わることがわかります。

▼♭系の長音階の調号(計7種)

Ex61






Ex59

以上のことから、メジャースケール(長音階)は、Cメジャースケールを含めて15種類あることがわかります。