| 調名 | 舞種 | 別名 | 構成 |
| 高麗壱越調 | 平舞 | - | 単一楽章 |
| |||||||||
| 舞人 | 装束 | 曲姿 | 番舞 |
| 四人 | 右肩袒の襲装束 | 小曲・新楽 | 承和楽 |
●あらまし
仁和楽(にんならく)とは、高麗楽壱越調に属する楽曲ですが、外来の曲ではなく日本製の楽曲です。光孝天皇の勅令により百済の貞雄という人が、高麗楽の形式で作曲しました。その時の年号である「仁和」※が、曲名の由来です。日本で初めて作曲・作舞された、高麗楽形式の楽曲と伝えられています。
舞人の装束は右肩袒の襲装束ですが、現在では蛮絵装束で舞う演奏団体が、多いようです。
※仁和年間...885年〜889年
教訓抄 巻第五 高麗曲物語
年号ヲ以ッテ楽名ト為ス。拍子十一。舞間拍子五十六。此ノ曲、仁和年中ニ、勅ヲ奉リテ、貞雄※ト云ケル物之ヲ作ル...以下略。
※...百済貞雄
(古代中世芸術論「教訓抄」-岩波書籍-)より筆者読み下し
●楽曲の構成と装束
仁和楽は同じ右方の舞では比較的ポピュラーな演目で、現代の舞台では演奏されることの多い楽曲です。楽曲の構成は、高麗楽四拍子※1 で拍子は十※2 となっています。またこの曲には換頭があります。
仁和楽の舞人の装束は右肩袒の襲装束ですが、現在では蛮絵装束で舞う演奏団体も多いようです。
※1...高麗楽の打楽器のリズムパターンの一種。
※2...楽曲一辺中の、太鼓の「百」を打つ数。
●現行の演奏作法
仁和楽を演奏する際は、まず前奏曲である「意調子」が奏されます。この楽曲は高麗壱越調の音取であり、高麗笛・篳篥の第一奏者※3 と三ノ鼓のみで演奏されます。意調子の演奏が終わると、当曲が演奏され、舞人が楽屋より順次登台し、「出手」を舞います。舞人は任意の拍子より引き続き当曲舞を舞いますが、当曲はその後も舞人が退場するまで演奏を続けます※4。
※3...管楽器の第一奏者を雅楽では「主管」(しゅかん)と呼びます。
※4...舞人が退場する際も、当曲を止めずに演奏し続ける形式の作法を「連吹」(つらねぶき)といいます。
| 舞楽 仁和楽 | |||
| 前奏 | いちょうし ○意調子 | - | |
| 出時 | にんならく ○仁和楽 | 舞人は順次登台し、出手を舞う | |
| 当曲 | 当曲舞 | ||
| 入時 | 舞人は順次降台し、管方は吹止 | ||

