承和楽(じょうわらく・しょうわらく)

調名 舞種 別名 構成
壱越調 平舞・文舞 冬明楽 単一楽章

Kooran
Jyowaraku_4 Jyowaraku_4
Jyowaraku_4 Jyowaraku_4
Kooran
舞人 装束 曲姿 番舞
四人 右肩袒の襲装束・鳥甲 中曲・新楽 仁和楽

延八拍子・拍子十・末二拍子加

●由来

承和楽 (じょょうわらく)とは壱越調、唐楽の楽曲ですが、多くの曲のように輸入された外国製の曲ではなく、和製の楽曲です。教訓抄によるとこの楽曲は仁明天皇即の作、または承和年間に黄菊の宴にて演奏させるために、天皇の勅により大戸清上に曲を、三島武蔵に舞を作らせたと伝えられています。楽曲の名は年号をとって「承和楽」とされました。さらに楽家録には、承和元年(834)に楽所預の、従五位上大中臣成文が作ったとも記されています。

此曲、承和年中ニ、黄菊ノ宴ト云事セサセ給ケルニ、勅ヲ奉リ、舞ハ三島武蔵之ヲ作ル。楽ハ大戸清上之ヲ作ル。即チ年号ヲ以テ楽名ト為ス。
一説云フ、承和帝之ヲ作ル。承和二年左司舞ヲ奉ル。

古代中世芸術論「教訓抄 巻第三」-日本思想体系-より筆者読下し


笛説曰ク、仁明天皇御職。位楽也。承和元年 楽所預従五位上大中臣威文之ヲ作ル。年号ヲ以テ名ト為ス云々
一説ニ、承和年中 黄菊宴之時ニ勅ヲ奉リ 楽ハ大戸清上、舞ハ三島武蔵之ヲ作ル。

「楽家録巻之三十一」-日本古典全集-より筆者一部読下し


承和楽は「しょうわらく」と呼ばれる場合が多いですが、年号の承和は「じょうわ」と発音するため、命名の由来を考えると「じょうわらく」と発音するのが正しいでしょう。




●往時の演奏作法

序アリケレドモ中古ニ之ハ絶ス。
四帖有リ、拍子各十。又「冬明楽」ト云。終帖ハ、三度拍子ヲ加ヘル。略定ノ時ハ、准余舞。末四拍子三度拍子加ヘル。 一説ニ末ニ拍子 拍子加ヘル云々。 舞ノ出入ハ調子ヲ用ル。当曲ヲ以テ伎楽ノ内「酔胡」ニ之ヲ用ル。不審無ニ非ズ。

古代中世芸術論「教訓抄 巻第三」-日本思想体系-より筆者読下し





●現行の演奏作法

-舞楽-

承和楽の舞楽演奏は、壱越調調子(横笛は品玄と入調)から始まります。この曲は各管の第一奏者※ より第二奏者(グループ)、第三奏者(グループ)へと、カノンのように順次遅れて演奏する「退吹」(おめりぶき)と呼ばれる奏法にて演奏されます。この楽曲が演奏される間に、舞人は順次登台して出手を舞います。

舞人全ての出手を終えた後、各管第一奏者の吹止句で演奏を終了します。次に当曲を演奏し、舞人は当曲舞を舞います。当曲終了後再び壱越調調子(横笛は入調)が退吹で演奏される中、舞人は入手を舞って順次降台、各管第一奏者の吹止句を以って演奏を終了します。なお現行の舞楽演奏では通常、絃楽器は用いません。

-管絃-

承和楽の管絃演奏は、壱越調音取からはじまります。この曲は三管と両絃の第一奏者と鞨鼓奏者で、演奏します。音取の演奏を終えると三管第一奏者は楽器を膝元に、琵琶と鞨鼓奏者は楽器と桴を一旦元に収めて、箏奏者合わせて左手(さしゅ)します。鞨鼓奏者が桴を構えた後、当曲を横笛の第一奏者より演奏します。

※...管楽器の第一奏者を雅楽では「主管」(しゅかん)と呼びます。

舞楽 承和楽
出時 いちこつちょうのちょうし
○壱越調調子
(横笛は品玄と入調)
舞人は順次登台して出手を舞う
当曲 じょうわら
○承和楽
舞人は当曲舞を舞う
入時 いちこつちょうのちょうし
○壱越調調子
(横笛は入調)
舞人は入手を舞い、順次降台する



管絃 承和楽
前奏 いちこつちょうのねとり
○壱越調音取
(琵琶は七撥・箏は爪調)
-
当曲 じょうわらく
○承和楽
・延八拍子・拍子十
・末ニ拍子加